設定の違いによる仮想PCの性能差をベンチマークソフトで検証

CrystalMark Retro

少し前に掲載したVMware Workstation Proの設定内にあるプロセッサの設定において、以前からプロセッサ数やプロセッサごとのコアの数に割り当てる数値差で、どの程度の性能差が出るのかが気になっていた事もあり、今回このページでベンチマークソフトを使用して設定差による性能差を検証してみました。

このページで検証するのはCPU性能の部分のみでグラフィック性能の部分は検証していません。また、使用するベンチマークソフトは当初メジャーなCinebench R23を予定していたのですが、VMware Workstation Proの仮想PC上で動作しなかった為、CrystalDiskInfoやCrystalDiskMarkでお馴染みのCrystal Dew World開発、CrystalMark Retroを使用させていただきました。

CrystalMark Retroでベンチマークスコアを計測

Ryzen 5 5600の実機のベンチマークスコア

仮想PCの性能を測る前にRyzen 5 5600搭載の実機のCPUベンチマークスコアを計測してみました。結果シングルが10223、マルチが84312となりました。ユーザーのベンチマーク結果をCrystalMarkDBから閲覧出来ますが、他のRyzen 5 5600ユーザーとほぼ同じようなスコアだったので結果に問題は無いようです。

実機のベンチマーク結果

プロセッサ数:2 プロセッサごとのコアの数:1

ここからはVMware Workstation Proの仮想PC上で計測したベンチマークスコアになります。プロセッサ設定でプロセッサ数:2、プロセッサごとのコアの数:1、AMD-V/RVI有効の状態で計測。結果、シングルが9974となり意外にも実機とほぼ変わらないスコアが出ましたが、マルチは19869と実機の23%程度のスコアとなりました。

仮想PCのベンチマーク結果 パターン1

プロセッサ数:1 プロセッサごとのコアの数:2

元々プロセッサの設定は標準でプロセッサ数:2となっていますが、1に減らしてコアの数を2にして計測してみました。CrystalMark Retroでは上と同じ2コア2スレッドとして認識しています。結果、上とあまり変わらないように見えますが3回ほど計測してもマルチは5%ほど低いスコアになりました。

仮想PCのベンチマーク結果 パターン2

プロセッサ数:2 プロセッサごとのコアの数:2

プロセッサ数:2、プロセッサごとのコアの数:2に変更して計測。シングルのスコアは誤差程度ですが、マルチのスコアが約2倍に増加。マルチのスコアが伸びても通常の操作で体感差は全くありませんが、設定によって仮想CPUの性能に大きな違いが出る事が分かりました。

仮想PCのベンチマーク結果 パターン3

プロセッサ数:2 プロセッサごとのコアの数:4

プロセッサ数:2、プロセッサごとのコアの数:4に変更して計測。シングルは変わらず誤差程度ですがマルチの方は更にスコアが大幅に増加して実機の約80%ほどの数値となっています。

仮想PCのベンチマーク結果 パターン4

プロセッサ数:2 プロセッサごとのコアの数:4 AMD-V/RVI無効

上と同じプロセッサ数:2、プロセッサごとのコアの数:4で、プロセッサ設定にある「Intel VT-x/EPTまたはAMD-V/RVIを仮想化」を無効にして計測。元々筆者のPCでは体感的に有効時と無効時の差を感じなかったのですが、ベンチマークでもほぼ同じスコアとなりました。ただ全く無意味な機能という訳ではなくCPUの種類によっては明確に差が出るのではないかと想像しています。

仮想PCのベンチマーク結果 パターン5

他、「CPU パフォーマンスカウンタを仮想化」については有効時と無効時でそれぞれ計測して比較してみましたが、計測前の予想通りベンチマークスコアはほぼ同じで、仮想CPUの性能には影響の無い機能なのが分かりました。

おまけ

CrystalMark Retroには2Dと3Dのグラフィック性能を計測する機能もあるので、ついでにやってみました。因みにディスプレイ設定の「3Dグラフィックスのアクセラレーション」を有効化しておかないと3Dグラフィックの計測が出来ない為、有効化しています。

結果、実機とのスコアと比較すると全体的に低い結果になっていますが、3Dのワイヤーフレームの実機のスコアが4667なのに対して仮想PCでは43241という異常な数値に。また、ポリゴンは最後まで完走出来ずスコアが1になっています。結局あまり参考にならない結果となりました。

仮想PCのグラフィック性能のベンチマーク結果

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